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剣道具・田代の製作メモ[T型クラレ甲手(小手)]

T型クラレ甲手(小手)
剣道具・甲手の製作記録   平成18年07月


私が剣道具製作メモをホームページへ書き留めるようになって、半年が経ちました。
皆様からいただく評価も変わってきたような気がいたします。常連のお客様、遠方よりメールにて初めてお目にかかるお客様など、様々なご意見を伺っております。いわゆるカタログ的に選ぶ基準を持っていらしたお客様が「本当に良い剣道具とは?」と考えていただけるきっかけになったのではないかと、励ましのお言葉もいただくようになり、私もより一層の努力を誓う次第です。
これまで製作メモで取り上げた事例は、一貫したテーマがあります。それは、お客様の体型に合った剣道具。単にサイズ表や好みの装飾物に合わせるだけでなく、お客様に合わせた布団の長さや幅、お客様の体力、稽古への取組など、あらゆる好みに応じて芯材の仕込みから剣道具を変えていくといったことです。おひとりおひとりに合った剣道具をご用意して差し上げることの必要性や大切さについては、今更ながら申し上げるまでもありません。

さて今回は、甲手(小手)の製作事例をご紹介いたします。
最近いつも思うことですが、学生剣士の皆様は、腰が高く足や腕が長い、私よりもスタイルが数段も良いと羨ましいかぎりです。
そんなお客様は、スタイルが良く、足や手のサイズも大きめな方でした。「もっとダイレクトに竹刀を握る感覚が手に伝わらないか」という、ご希望を伺いました。

これには明快な答えがあり、剣道具業界においても、徐々に対応が求められるようになることでしょう。このお客様は、手全体が大きいのではなく、指が極端に長い方でした。
私は採寸を行うにあたり、すぐに型を改める必要性を感じました。

サイズが合っているはずの甲手(小手)の握り具合に、不満を感じておられる方は多いもので、このお客様のように指が長い方、また一方で、手の平が大きな方もいらっしゃいます。

現在、私どもが提供しているT型は、4サイズにて対応させていただいております。しかし、それらに適応しないケースが目立って参りました。手が大きなお客様に、サイズを上げて単純に小手頭を大きくすれば、手の平部分やその周囲がだぼついてしまい、竹刀を握った時の感触が損なわれてしまいます。また、4本指部分を単純に長くしても関節部分の飾りがずれてしまい、指を曲げた時に違和感を感じてしまいます。

こうして、ほどよくお客様にフィットする甲手(小手)が完成しました。お客様にも喜んでいただきました。通常の製作納期よりも多少のお時間をいただくことに、私は申し訳なく思いました。
ですから、甲手(小手)や面、胴や垂も、現代人の体格に応じた形でつねに対応していかなければならないものだ、とあらためて認識いたしました。

剣道具は直接剣士の肌に触るものです。その善し悪しが敏感に伝わってきます。剣士の求める剣道スタイルによって、求められる条件は多岐に渡ります。得てして使いやすさのみ追求される剣士も多くありません。しかし、それらは機能性に劣る場合もあり、本来剣道具に求められるべき安全性や耐久性が損なわれる場合も考えられます。
ぜひご自身にあった剣道具を見つけてみてはいかがでしょうか。そのためにも、私どもは惜しみなく努力して参ります。お客様個々によって、異なる環境での稽古、年齢、性別など、使用目的やこだわりにも対応できる剣道具があると思います。
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