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店主が想う 田代のこだわり

剣道が楽しくて仕方がない、そんな防具を作りたいと想っています。

春の入学シーズンから1〜2ヶ月を過ぎたちょうど梅雨の頃、剣道部に入部した新入生の皆様は、ご自身の剣道具を手にしていると思います。

当店へお越しいただく新入生の皆様、その親御様には、剣道具の選択について少しアドバイスをさせていただきます。
初めて身に付ける剣道具だからこそ、剣道上達のお手伝いをしたい、それぞれ防具の細部までこだわって差し上げたいのです。
初めて選ぶ剣道具だからこそ、比較検討する基準があると良く、それぞれ防具に求められている意味合いをお伝えして差し上げたいのです。

剣士の皆様それぞれの体型に合った剣道具は、剣道上達の近道であり、理想といえるでしょう。面や胴、垂、甲手(小手)は、ご使用される方のサイズにぴったり合うことで、それを可能にしてくれると思います。

これから多くを学ぶ剣道初心者の皆様にとって、ある意味では大切な、決しておざなりにはできないことのような気がいたします。強いて言えば、この大切さや必要性は感じていただきたいことです。

すでに剣道経験者の皆様にとって、身体に合った剣道具の素晴らしさは、言うまでもありません。数多くのメリットのうち、最も重要視されることのひとつに「思い描く動きやすさ」が上げられています。

しかし実際のところ、身体に合った剣道具を用意することは、なかなか難しいことです。

面をひとつ例に取り上げてみましょう。先ず皆様のお顔のサイズが異なります。もしお顔のサイズが同じ場合でも物見の高さが違ってきます。物見は5mm違うと視界がガラリと変わります。偶然にサイズ・物見が同じ場合でも、身長や肩幅など体型が同じ方というのは、ほとんどいないでしょう。それらに合わせる面布団は振りかぶる動作に大きく影響してきます。
また、手の届きやすい既製品の剣道具の中からあてがうことは、この頃、難しくなってきました。小顔で8頭身、腰高、細身の方が多く、物見も10〜10.5cmの方が、ここ数年増えているような気がします。これらのサイズでは、通常の規格品に残念ながら合わないケースとなってしまいます。

従いまして、身体に合わせた剣道具はご注文をいただいてからの製作となるため、新しく全ての部品を用意することになります。サイズを採寸したのち、布団をはじめ、顎・胸・小手頭など、それぞれの部品を作り、組み立て上げてゆきます。

剣道具は手作りのため、その製作にあたっては多くの時間を必要とします。ですから、私どもの力だけでは、多くの皆様の剣道具をご用意することはできません。高い生産能力や技術に長けているメーカーの力を借りることにより、身体に合った使いやすい剣道具をご提供できるわけです。

しかしそれでも1〜2ヶ月はかかるため、一日も早く防具を必要としている、剣道初心者の皆様に必要な納期を大幅に上回ってしまうこともあり、ご迷惑をおかけしてしまうこともあります。
私たち田代武道具店は、当店にご来店いただいているお客様に限らず、一人でも多くの剣士の皆様に、身体に合った剣道具を使っていただき、楽しく剣道を学んでいただけるような環境づくりに取り組んでゆきたいと考えています。剣道具製作における最大の課題、納期の短縮ということにも積極的にチャレンジしてみたいと思っています。

ぜひ皆様とご一緒に、終わり無き道を歩んでゆきたいと思っています。

剣道具の製作にあたり、私たちが日頃より感じていることを書き出しました。
さながら「田代武道具店のこだわり」と言えるでしょう。
皆さまのご意見やご感想をいただければ、幸いです。
其の1 “手刺剣道具と面布団”
其の2 “十人十色の剣道具”
其の3 “お客様との真剣勝負”
其の4 “「立ち姿」をキメる”
其の5 “職人のさじ加減”
其の6 “武道具の日”
其の7 “大切な物見”
其の8 “「残心」武道に学ぶ”
其の9 “「イイモノ」って何だろう?”
其の10 “職人のものさし「はかる」1”
其の11 “職人のものさし「はかる」2”
其の12 “職人のものさし「はかる」3”